成年後見

少子高齢化が進む現代社会においては、誰しもが将来に漠然とした不安を抱いています。年を重ねることによって判断能力が下がり、悪徳業者などに騙されて多額のお金をだまし取られてしまうこともあります。認知症などの病気のために財産管理が出来なくなるかもしれません。

また、お子様が障害を抱えておられて、自分が面倒を見ることができなくなった後、誰に面倒を見てもらったらいいのだろうかと不安に思われている方もおられます。今後は、「無縁社会」と言われる状況の進行もあり、社会全体での取り組みが必要となる一方で、個人でもできる限りの自衛手段を講じておく必要があります。

自分ひとりでは財産の管理が難しくなった場合には、財産の管理等をサポートしてくれる存在が不可欠です。家族の中で財産の管理を行う者を決められない、サポートできる家族が近くにいらっしゃらない、家族がいても施設への入所契約などの場面で法的知識が必要になった、などの場合には信頼できる第三者に財産の管理や契約をお任せする必要が出てきます。

法定後見

実際に認知症などで判断能力がなくなった方の財産を守るための制度です。本人の判断能力が低下している場合に、家庭裁判所に専任された後見人等が、本人に代わって財産を管理し、入所契約など各種契約を締結し、もしくは契約の同意や取消しなど通じて、本人の保護を図っていく制度です。

民法が規定する制度には、①成年後見 ②保佐 ③補助の3つの制度があります。

これら3つは、本人の判断能力の低下の程度に応じて、使い分けられます。判断能力がどの程度低下しているかは医師の診断が必要になります。

家庭裁判所に後見人や保佐人、補助人を選任してもらうためには、家庭裁判所に「選任の申し立て」を行う必要があります。ご家族で争いがない場合には、ご家族が後見人等に就くこともできます。

任意後見

判断能力が低下する前に、将来に備えて、本人が自分の意思で、後見人を選ぶことが出来る制度です。

任意後見契約を締結するときには、通常、継続的見守り契約とセットで契約を行います。そうすることで、将来判断能力が低下する前からずっとサポートを受けられるメリットがあります。